日々のこと 初夏のはじまり

UPDATED 2022.07.19

6月は新緑の季節。
木曽の初夏の風物詩”ほう葉巻き”の季節です。

こんにちは。
椿井木工舎の衣・食(生産、畑、食べる)担当の妻です。
木曽暮らしになり、町の農家のお母さんでつくった農産物加工組合でお手伝いするようになって6年目。ほう葉巻きのお仕事、今年も無事に終わりました。

朴の葉っぱに包まれた、米粉にあんこが入ったフォルムも可愛いほう葉巻き。
何個でも食べれちゃうんですよね。
みなさんは、こしあん派orつぶあん派、どちらですか?
こしあんづくりをしてみると、本当に手間がかかっていて驚きました。
私は、こしあん派です。
名古屋人は、こしあん派が多い気がします。
子供の頃から、赤福を食べる機会が多かったからかな?

ほう葉巻きをお供えする木曽の端午の節句は、1ヶ月遅れ。
木曽では、朴の木が植えられているお宅がとても多いんです。
昔は、家庭で手作りしていたほう葉巻き。
今は木曽の和菓子屋さんや、加工所で購入する家庭が多いと思います。
私は、今シーズン10ヶ所のお店のほう葉巻きを食べました。
食べた個数は、数えきれないほど。
木曽の初夏のお楽しみは、ほう葉巻きの食べ比べ。観光でいらしてる方も、毎年楽しみにされていると思います。

家庭では鍋で蒸すことも。

加工所では、60-80代の木曽の先輩方と楽しく忙しく働いております。
40代の私は、6年たっても一番若くて(笑)
約1ヶ月のほう葉巻きのお仕事。
あんなに毎日ついて、ちぎって、巻いて、蒸したのに、終わってしまうとなんだか寂しくて。
1ヶ月間、毎日顔をあわせたお母さんたちとも、終わりに近づくとさみしいねと。
なんせ、みんなほう葉巻きの戦友ですもん。

朴の花は、なんとも言えない甘い香り。
木曽の山々では朴の木を見つけれますよ。葉の裏が白いので、 遠くから見ても目立ってわかります。
高木のてっぺんに咲く大きな乳白色の花。なんとも妖艶です。

ほう葉巻きによい葉は花が咲いたあと。葉をとるときは、ほとんど咲き終わっていて。朴の花を近くで見ることは珍しいのです。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は P5240701.jpg です

“ホオ”は”包”を意味し、大きな葉で食べ物などを包むことに由来されているそう。とてもきれいな緑色の木で、材としても、狂いもほとんどなくおとなしい木といわれています。
ほう葉巻きのほかに、朴葉すしもつくりますよ。

左はほう葉巻き。右は朴葉すし。

集落のみんなで、ほう葉巻きお疲れ様会を開きました。
みな、ほう葉巻きの仕事をしていて、1ヶ月以上頑張ったご褒美にと。
具は、みなで作って持ち寄って朴葉すしをつくりました。
きゃらぶき、淡竹の佃煮、新生姜の甘酢漬け、椎茸のふくめ煮、錦糸たまご、赤かぶの甘酢漬け、山椒の実、山椒の葉、海老。

1品持ち寄りの女子会なのに、なんとも豪華に。
3人とも移住者で前職は食のお仕事をされていたからなのか、和洋折衷でいろとりどりで美しく美味しかったです。

梅雨時期には、季節の手仕事がいっぱい。
家のベランダから収穫できる山椒の実。今年もたくさん実をつけてくれました。
あくをぬいて、ちりめん山椒に、山椒の佃煮にと。のこりは冷凍して。

春のたけのこほりのあとは、みなでのお昼ごはん”山椒鍋”
たけのこと豆腐、豚肉を入れてたっぷりの山椒の若芽をのっける。この季節しか出来ない鍋。大好きな山椒の実の炊き込みごはん。ほりたて筍に冷凍山椒実を。少しのもち米とオリーブオイルがまた美味しい。カラスノエンドウで飾りつけ。

梅雨の季節の手仕事の女王といったら梅仕事。
ほう葉巻きの仕事とおなじ季節で、並行してはなかなか難しく、小梅はいつも落ちてしまうのを横目で見ています。
集落には梅の木が多く、木曽くらし1年目からおとなりさんのご厚意で梅をもがせていただいて。今では、誰の梅の木がわかるようになってきました。

梅雨の晴れ間には、朝夕のみ矮鶏たちは畑で遊び、日中は梅の木の下で砂浴び。
人も朝夕の畑仕事が1番。鳥たちも同じですね。

今年もたくさんの梅友に来てもらえました。集落のじいちゃんと一緒にもいでお茶をして、アイスクリーム差し入れてくれたり。
家族の1年分の梅をもいで、梅仕事をする。みんなで協力してもぐ時間はとっても贅沢。

梅仕事をはじめたのは15年ほど前から。
木曽ぐらしになってからは、かりかり梅、甘梅干し、さしす、梅肉エキスなど、
信州、木曽で作られている梅仕事をするようになりました。
木曽で学んだかりかり梅。
もいですぐ塩で揉むことがかりかりに。スピード命です。
梅の食べ比べとお茶しながら、塩もみもみ。

青梅から黄梅になり、
“パカ”っとパックマンのようにキレイに割れたら成功。
早すぎてもダメ。
遅すぎてもダメ。
はじめはうまく割れなかったけど、3年目ぐらいからコツをつかみました。
夫が技専で学んでいる時に作ってもらった木曽檜の梅割り器。
お隣さんの梅パッカンを借りて、見様見真似で作ってくれました。

もいだ後はお楽しみのお茶の時間。それぞれ美味しいものを持ってきてくれて。
豪華な時間。笹っこの笹まきもおいしい。

梅畑の横には、には、カラーや紫陽花。そして菊芋もどきが咲いていて。
茗荷畑のみょうがもそろそろ収穫シーズン。
半径50m暮らし。私たちの暮らし集落は本当に豊かです。
ここ1年で集落に暮らしはじめた人たちも増えてきて嬉しい。
集落の先輩方と、一緒に山や集落を整備し、季節の手仕事や野良仕事ができる。

木曽暮らし7年目でも、まだまだ刺激をうけて暮らしております。                          

文・写真 二宮美香